あらためて、Echonet Timerがどういうものかをご紹介すると、下記の2点になります。
- 蓄電池の動作モード(自動、充電、放電、待機)を時刻によって切り替えられる。
- 充電モードの場合、蓄電量の上限を設定できる。(充電中に設定値に達したら待機モードへ移行する)

蓄電量を制御する目的は、
- 電力会社からなるべく購入しないこと
- 購入する場合、電力量単価の高い朝晩/昼間より深夜電力を優先すること(ただ、以前より差額が小さくなっているので、お得感も小さくなっています)
- また、逆に電力会社になるべく売却しないこと
- FIT終了後、売電価格は8.5円/kWhと(深夜電力購入価格の29.05円/kWhに比べても)かなり安い
- 深夜電力で充電した結果、昼間の蓄電量が100%に達してしまい、売電状態になるのは逆効果
です。
そこで考えた制御方法としては、「充電モードにおける蓄電上限値」と「自動モードへの切り替え時刻」の2点を自動算出することとしました。
フローチャートで示すとこんな感じ。(自動モードを7時以降にしないのは、7時以降の電力購入を抑制するため)

必要なパラメータは、
- 充電するかどうかの閾値
- 9段階の充電量(10%~90%)を決める閾値
- 自動モードに切り替える時刻を決める閾値(日射量が閾値を超える時刻で自動モードに切り替える)
各閾値を決めるため、6~7月のデータをいくつか取ってみました。(特徴的なデータのみ表に示します)
日付 | 1日の日射量 予測 | 深夜電力によ る蓄電量 | 日中に蓄電量 が100% に達したか | 蓄電量を23時 まで保ったか |
---|---|---|---|---|
6/22 | 35.4 | 80 | × | 〇 |
6/26 | 750.9 | 10 | 〇 | 〇 |
7/13 | 137.3 | 10 | × | 〇 |
7/15 | 145.6 | 40 | 〇 | 〇 |
7/13の充電量を見ると、100%に達してはいないものの95%程度までは充電できていることがわかります。

6/22のデータからは、深夜電力で80%まで充電して日中はほぼ横ばいであったことがわかります。

6/26のデータでは、比較的早い時間帯に蓄電量100%に到達していることがわかります。

収集したデータを整理した結果、各パラメータは以下のように決めました。(しばらく運用して、実態と合わないようなら見直します)
- 深夜電力で充電するかしないかの閾値は、150.0W/m2とする。
- 9段階の充電量(10%~90%)を決める閾値は、140W/m2から20W/m2を等間隔(15W/m2)で区切り、それぞれ10%~90%に対応させる。
- 自動モードに切り替える時刻を決める閾値は、10W/m2とする。
「Echonet Timerの操作による蓄電量自動制御」への4件の返信
はじめまして。
私も蓄電池の制御をしたいと思い色々探しているうちにこちらに辿り着きました。
具体的にどのようなデータのやり取りを機器としているかを伺いたいのですが、可能でしょうか?
私はニチコンのトライブリットパワコン T3シリーズを使っているのですが、充放電日時をリモコンで変えてもエコネット系のツールで取得するプロパティの差分にそれらしき変化がなく、どのプロパティをいじればいいのか探し出せない状態です。
よろしければアドバイスいただきたく。
よろしくお願いいたします。
石塚さま
コメントありがとうございます。
興味を持っていただいてうれしく思います。
まず、こちらではデルタ電子のSAVeR-Hという太陽光発電ハイブリッド蓄電システム(https://www.delta-japan.jp/ja-JP/products/Hybrid-System/4582)を使用しています。
制御は、M5StickCというマイコンで行って(https://www.windesign.work/%e8%a3%bd%e5%93%81%e4%b8%80%e8%a6%a7/%e3%82%bd%e3%83%95%e3%83%88%e3%82%a6%e3%82%a7%e3%82%a2/m5stickc/echonet-timer/)おり、使っているプロパティは下記の3つとなります。
・運転モード設定(0xDA)
・運転動作状態(0xCF)
・蓄電残量3(0xE4)
やっていることを簡単にご紹介します。
・設定は、運転モードごとの時間帯と充電モード時の蓄電上限値の2点です。
・1分ごとに各プロパティを取得して、指定した動作モードと違っていたら動作モード切り替えを行う。
・充電モード中は、指定した上限に蓄電量が到達していたら待機モードに切り替える。
以上です。
ご不明点などありましたら、お気軽にお問い合わせください。
ありがとうございます。
ニチコンの場合なかなか外部API、プロパティに関して細かく公開されておらず困ってます(汗
概ね理解できました!
ありがとうございます。
「ニチコン トライブリット T3 echonet」でググってみたら、こちらが検索されました。
https://echonet.jp/introduce/lz-000198/
メーカによるテスト結果のようで、参考になりそうと思いました。
電気自動車が絡むと自宅用蓄電池(クラスコード=0x27d)ではなく、別のオブジェクトコード(クラスコード=0x27e)になるんですね。
なお、プロパティの説明についてはEchonet規格が詳しいです
https://echonet.jp/spec_object_rr2/